第10回公立大学協会法人化問題特別委員会

議事録

日 時

2001年8月18日(金) 14時~18時

場 所

公立大学協会事務局会議室

出席者

委員長 森

委員 荻上・磯部・加藤・児玉

議 題

  1. 文部科学省調査検討会議「新しい国立大学法人について(中間報告)(案)」について
  2. その他

議事概要

8月9日に文部科学省「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」より、「新しい『国立大学法人』像について(中間報告)(案)」が出されたことを受け、本委員会ではこれについての対応を検討した。また、今後予想される議事の日程と内容、それらに対する公大協の姿勢、および公立大学の法人化問題に対して公大協としての独自にとりくむべき事項について協議した。

最初に、中間報告の案の作成に入った調査検討会議の論議の状況が、同会議連絡調整委員会委員の荻上委員より報告された。

荻上氏の報告によれば、調査検討会議より公表された「新しい国立大学法人について(中間報告)(案)」(8月9日付)は、4委員会(組織業務・目標評価・人事制度・財務会計制度)の7月までの検討結果に「I 基本的な考え方」「VI 大学共同利用機関」「VII 関連するその他の課題」を追加し、事務局でまとめたものである。4委員会の検討過程で議論されてこなかった、いわゆる「遠山プラン」発表後の状況は、追加されたI・VI・VIIの部分の記述にのみ反映されている ※。

※ 調査検討会議中間報告案の「Ⅶ 関連するその他の課題」(48ページ)は、以下5点から構成される。
  1. 国としての長期的な高等教育・学術研究政策やグランドデザインの策定
  2. 国立大学の大胆な再編・統合の推進のための基本的な考え方の整理と具体的な再編・統合計画の策定
  3. 各地域における国立大学と公立大学・地方公共団体、私立大学との連携・協力・支援の関係の強化のための具体的方策
  4. 第三者評価の結果を踏まえたいわゆる「国公私トップ30」を世界最高水準に育成するための具体的方策
  5. 公立大学に法人格を付与する場合の具体的な在り方

当初、調査検討会議は8月9日付の中間報告案について、8月23日に論議をおこない、9月初旬に中間報告として確定する予定であったが、8月9日の連絡調整委員会で国立大学法人制度の根本にかかわる点についていくつかの異論が出され、調整が難航したため、中間報告の確定は当初予定より後にずれ込むことがありうる様子である。

つづいて、中間報告案の中で公立大学について言及している部分について検討し、公大協としてどのように意見すべきかの議論をおこなった。

いわゆる「遠山プラン」以降、国公私を含めた高等教育のグランドデザインをどのようにもつのかが問題となっているが、調査検討会議の議論は当初より国立大学に的を絞ってきたため、大学関係者の関心の現状とそぐわない面がある。調査検討会議のメンバーとなっている本委員会委員からは、7月段階での中間報告案に対して、これらの点を指摘する意見も提出されている。

今回の中間報告案では、「VII 関連するその他の課題」において「今後、速やかに検討を行うことが必要」とされる5項目に、公立大学に関する項目が含まれている(上述※参照)。このうち、(2)はもっぱら国立大学にかかわる問題であるが、(1)および(4)については、国公私の区別なく公平な扱いを求め、公立大学協会として積極的に関与する。(3)については公立大学協会として強い関心を持ち、積極的に関与する。(5)については、公立大学および公立大学協会にとって重大な問題であり、設置者および関係省庁との協議が必要であることが確認され、連絡調整委員会においてもそうした意見を表明することとなった。

今後、中間報告が確定した段階で公大協として意見表明するために、公立大学に関わるか否かを問わず、中間報告案についての議論をおこなった。

組織業務については、「学内のコンセンサスの確保」と「全学的な視点に立ったトップダウンによる意思決定のしくみ」がたやすく両立はしないこと、(別紙1)にA・B・Cの3案として併記されている制度の運用の具体的事例についての言及が必要であること、学外役員として起用するとされている「専門家」の性格が不明であること等が指摘された。

目標評価に関しては、国立大学評価委員会が参考にするとされる大学評価が、同じく国の機関である大学評価・学位授与機構のものしか想定されていない点について、多元的な評価機関の育成をおこなっていくことの重要性が指摘された。また、20ページの(1)、(国の政策目標)の最初の項目において、高等教育・学術研究のグランドデザインは国公私全体にかかわるものであり、その下に国立大学も位置づくことを明確にすべきであること等が指摘された。

財務会計制度に関しては、運営費交付金のうち教育に必要な部分について競争的配分をおこなうことはふさわしくないことが指摘された。また、「遠山プラン」では国公私を通じた競争的環境をつくることが明言されているにもかかわらず、国立大学の中で競争的に運営費交付金を配分するとすれば、この2つの考え方をどのように整合させるのか、という疑問も出された。そのほか、競争的資金の配分原理を個人単位とするのか機関単位とするのかについて、考え方の違いの確認を含め議論された。

これらの議論をもとに、次回までに、委員が分担して調査検討会議中間報告についてのレポート(A4、1枚程度)を作成し、委員会で検討することになった。分担は、「I はじめに」「II 基本的な考え方」…森委員、「組織業務」…磯部委員、「目標評価」…加藤委員、「人事制度」…森委員、「財務会計制度」…児玉委員、とした。

また、「国立大学の独法化と公立大学の課題」(公大協法人化問題特別委員会)の「公立大学として重点的に取り組むべき課題」のうち、今後検討すべきことがらについても検討する必要が確認され、次回までに加藤委員がレポート(A4、2枚程度)を作成することとなった。

このほか、東京都などが公立大学の法人化についてプランを準備していることなども念頭におきながら、適当な時期に関係省庁との協議の機会を設ける必要があることが確認された。

次回委員会は、9月27日(木)13:30~16:30 の開催予定である。

以上