2001年11月30日 9時30分~12時
公立大学協会事務局(西新橋)
委員長 森
委員 秋野・鈴木・磯部・加藤・児玉・田中
磯部委員のまとめた「公立大学法人像の検討課題」について議論しながら(議題(1))、関連して、『新しい「国立大学像」について(中間報告)』に対する意見の整理(議題(3))や、大学評価・学位授与機構への申し入れ事項案についての議論(議題(4))をおこなった。
最初に、森委員長から、次のような説明があった。文科省調査検討会議において、もっぱら連絡調整委員会によって「国立大学法人」の最終報告をまとめていく方向が明らかになったことが紹介された。公大協の意見は、荻上委員を通じて表明することになる。また、児玉会長にも、公大協として意見を求められることになると思われるので、本委員会の意見を整理していく必要がある。
9・10月に入ってから、公大協は、新しい情勢にどう対応するかのスタンスを決めることに全力を注いできた。学長会議の決議もその1つである。だが、肝心の「中間報告」の中身に具体的に触れた議論、すなわち、公立大学にも適応可能なものと独自の検討が必要なものの区分および内容等の具体的な議論はしていない。本日はこれを資料「公立大学法人像の検討課題」にもとづいて集中的に審議していきたい。
以下、この提案にしたがって、審議がすすめられた。
法人の運営組織については、田中委員から、事情の如何にかかわらず理想的なものを原則としてまとめることが必要だという見地から、教学・経営が一体的にいく場合でも、ある程度機能分化した方がよい、との意見が出された。これに対して、磯部委員からは、現状では、教学組織と法人組織との一体型がよいのか分離型がよいのかについては、実のところ判断つきかねる、一体型の場合には、学長の経営責任を問われたり、学長の経営能力が期待できない場合には、経営担当の副学長を送り込まれたりする可能性が高いことなどから、一体型の方が分離型よりも大学の自律性が高まると決めつけることはできないが、現時点では「国立大学法人」に倣っておくことが無難ではないかと、の説明がされた。また、加藤委員からは、連絡調整委員会の中で、公大協として一体型・分離型という問題に意見を述べる必要はないが、国立大学関係者が問題としている部分については、公立大学にとってものぞましい方向で考えた方がよい、との意見が出された。
これらを受け、森委員長は、法人の運営組織の形態については、各自治体の選択の余地を残しておいた方がよいことから、一体型・分離型のどちらかに固定するような表現ではなく、それぞれの可能性を残し、問題点を整理しておいた方がよい、とまとめた。
目標・計画については、国大協は、中期目標は文科省が策定すべきものではない、と主張しており、公大協としても、これは大学としての自律性を担保するものであるから同様の意見を述べるべきことが合意された。また、首長の交代の度に設置者の政策目標や公立大学の位置づけが変わることにより、大学の活動が翻弄されないようにするために、大学の設置目的や理念と目標と関わらせた長期目標を策定する必要があることも確認された。
公立大学の評価については、機構(大学評価・学位授与機構)が、平成14年度着手の評価の対象とし得る方向で検討をすすめている。だが、公立大学の特性に応じた評価項目や内容上の工夫が必要であり、また、それらを確認するための施行期間を置く必要があるこという意見が、鈴木委員によりまとめられ、本委員会へ資料として提出された。公立大学は機構の評価は使わないという考え方を出すこともありうるが、設置者が依頼する場合も考えられることから、鈴木委員の意見を基調に公大協の意見をまとめ、評価項目等の策定には公大協も協力する方向で、機構に対して意見することになった。また、公立大学の評価は機構に一元化することはのぞましくないことや、現在の大学評価は実施機関による隔たりが大きいことから、これらについて調整が必要であることなどが議論された。
財務会計については、児玉委員から、大学を設置している以上、法人化後も、設置者には大学の費用を負担する責任(設置者責任の原則)があることを法律のレベルで確認する必要があることが指摘された。また、「公立大学法人」の会計基準について独自に検討する必要があることも確認された。これらの点は、「国立大学法人」にも共通であるため、調査検討会議においては、国についても同様にすべきとの意見を述べることとなった。
人事制度については、教員の頭割りの投票制度では、規模の大きな学部から学長が選出されることが多くなるという弊害が指摘されている。だが、公立大学の中には、文系学部と理系学部から交互に学長を選んだり、各学部が選出した選考委員が学長を選んだりする工夫も見られることから、選考手続きを工夫して弱点をカバーすることにより、今後も具体の選考過程においては学内者による投票制度を基本としていけるのではないか、との意見が森委員長から出され、合意された。
全体に関わって、設置者の意見を聞くことは必要だが、それが行き過ぎないようにプロテクトをかける必要があり、公大協がそういう機能を果たすべきであるという意見が出された。具体的には、モデル条例案やガイドラインの策定などが挙げられた。
以上の議論をふまえ、本日の委員会に提出された「「公立大学法人」像の検討課題―新しい「国立大学法人」像について(中間報告)を踏まえて―」を、適切な修正を施した上で第2次試案としてまとめ、概要についての説明文を添付し、これを資料に、文科省・総務省との協議に臨むことが確認された。森委員長と磯部委員が原案を作成、会長および各委員の意見をとりいれてまとめたものを、12月中旬を目途に両省庁に提出することとなった。
このほか、宮澤事務局長から、11月21日におこなわれた設置協(公立大学設置団体協議会)と会合の状況が報告された。設置団体の間には、中央省庁の公立大学の法人化の動きに対しては相当に温度差がある。設置協と公大協との協議についても、今後、積極的にすすめていく必要があることが確認された。
最後に、公立大学の地域貢献については、事務局から、学長会議の決議を受け、専門委員会を設置して報告を作成してもらい、5月からは委員会として活動を開始するというスケジュールが提案され、了承された。会員校から提案された観点をとりいれながら、公立大学が広範囲に展開している地域貢献をカバーしうる人選をすすめることとなった。
以上