経済財政諮問会議への公立大学協会意見

平成13年6月21日

経済財政諮問会議 議員各位

公立大学協会 意見

公立大学協会会長 児玉隆夫

公立大学は、日本の高等教育・学術研究・地域貢献の3つの面で重要な役割の一端を担っています。公立大学協会はこれら公立大学74校の団体で、別表のような教員・学生構成を持っています。公立大学協会として、経済財政諮問会議(以下「会議」と略称)の資料に関連して、次のように意見を表明します。

I 第9回「会議」(平成13年5月31日)について

資料2「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(目次案)」にある7つの改革プログラムのうち、とくに(4)人材大国プログラム(人的資本の形成)と(6)地方自立、活性化プログラムに強い関心を持っています。

周知のとおり、現在の日本には国立大学、公立大学、私立大学という3つの異なる設置形態の大学があります。「会議」の目次案及び資料において一般に「大学等」とある表現は、当然ながらこれら3者を示すと思われますが、必ずしもそうではないと誤解される表現もあるため、以下の点を確認し、公立大学を明示的に含ませるよう強く要望します。

I -(1)

第9回「会議」の配布資料3「平成14年度予算に向けた科学技術政策課題について」(尾身臨時議員 科学技術担当大臣)のうち「3.大学等の施設の整備」について

〔本文抜粋〕

「わが国の大学等の施設は先進諸国に比べて著しく見劣りする状況であり、研究開発の中核たる大学等の施設の抜本的な整備を行う。」

「大学等の施設は、21世紀にふさわしい社会資本であることから、その施設費については、優先度の高い施設に重点を置きつつ、予算分類を変えて、公共事業関係費に位置づけることを検討する。」

〔公立大学協会の意見〕

ここに言う大学等は国立大学等に限定されず、公立大学も含まれていることを明示的に表現するよう要望します。

I -(2)

第9回「会議」の配布資料3「平成14年度予算に向けた科学技術政策課題について」(尾身臨時議員)のうち「4 科学技術システム改革」の(2)-③「私立大学での研究開発促進のための条件整備」について

〔本文抜粋〕

「私立大学における研究開発を促進するため、国の助成の強化を検討するとともに、私立大学への民間の資金の導入を促進する観点から、私立大学への民間からの委託研究費に対する減税措置等について検討する。」

〔公立大学協会の意見〕

この節では私立大学をとくに取り上げています。産学官連携の推進というタイトルとその文脈から見て、公立大学が研究開発の重要な担い手であることは明らかです。そこでタイトルを「私立大学」に限定せず、「公立大学・私立大学での研究開発を(以下略)」とするよう強く要望します。

I -(3)

第9回「会議」の配布資料3「平成14年度予算に向けた科学技術政策課題について」(尾身臨時議員)のうち「5.地域科学技術の振興」について

〔本文抜粋〕

「地域における革新技術・新産業の創出を通じた我が国経済の再生を図ることが緊要である。このため、地域の技術創造に強い中堅中小企業・ベンチャー企業の育成や産学官の連携等を促進し、技術革新が連続的に起こり付加価値の高い製品を生み出していく21世紀型の新産業の創成を図る。」

〔公立大学協会の意見〕

公立大学は高等教育・学術研究・地域貢献の中核としての役割を果してきています。「地域における革新技術・新産業の創出」に関連して、公立大学はその重要な役割を担う責任と能力を持っていることをここに表明します。

II 第10回「会議」(平成13年6月11日)について

配布資料「大学(国立大学)の構造改革の方針--活力に富み国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として」(遠山臨時議員 文部科学大臣)について

II -(1)

第10回「会議」の配布資料「大学(国立大学)の構造改革の方針」の「3 大学に第三者評価による競争原理を導入する」について

〔本文抜粋〕

「国公私を通じた競争的資金を拡充」

〔公立大学協会の意見〕

競争的資金は設置形態にかかわらず高等教育・学術研究を担う大学に配分するべき性格のものであり、現に競争的研究費の配分については実施されています。この「競争的資金」が研究費以外の何を指しているかは不明ですが、国費の投入について国公私立大学を区別せず、3者がともに高等教育等を担っているとの認識に立ったことは評価できます。

II -(2)

第10回「会議」の配布資料「大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プラン--大学が変わる、日本を変える」について

〔本文抜粋〕

「項目立てのみの一覧表であるため、再掲はしない。」

〔公立大学協会の意見〕

「世界最高水準の大学作り」「人材大国の創造」「都市・地域の再生」の「3つの改革」は、総論としては評価できます。但し、表題は誤解を招きかねません。経済活性化が目的で大学改革をその手段と位置づけていると誤解されるならば、これは「国家百年の大計」を誤ることになります。

大学改革が、次世代の優れた人材の育成、学術研究の持続的展開、地域住民・国民・人類の平和と福祉、地球環境の保全等の人類的課題とならんで、経済活性化にも大きく寄与するという姿がもっとも望ましいと認識しています。

別表 公立大学及び公立大学協会の現況

公立大学は平成13年度に2校が開設、計74校であり、そのすべてが公立大学協会に加盟している。

1 公立大学の現況(平成13年度現在 概数)

資料:公大協「公立大学実態調査表」
(1) 大学数 74
(2) 学部数 156
学部生数(現員) 93, 200
(3) 研究科数 108
大学院生数(現員) 9, 800
(4) 教員数(現員) 10, 420
(5) 職員数(現員) 4, 000
〔8, 000 看護婦数等を含む数〕
(6) 属病院 12(10校)  病床数 8, 318床

なお、他の資料として公立大学協会50年史編纂委員会編『地域とともに歩む公立大学--公立大学協会50年史』(平成12年 430ページ)、公立大学のあり方検討会編『分権時代の公立大学』(平成12年)があるので、参照されたい。

2 公立大学協会 役員

会長 児玉隆夫 大阪市立大学長
副会長 西澤潤一 岩手県立大学長
加藤祐三 横浜市立大学長
理事 鈴木昭憲 秋田県立大学長
森 正夫 愛知県立大学長
鈴木 胖 姫路工業大学長
西岡忠義 広島県立大学長
田中愼一郎 北九州市立大学長
監事 荻上紘一 東京都立大学総長
下山房雄 下関市立大学長
事務局長 宮澤夏樹

事務局

東京都港区西新橋 1-6-13  虎の門吉荒ビル 9階
電話      03-3501-3336
ファックス   03-3501-3337

以上