文部科学省との情報交換会

日 時

平成13年11月22日(木)、17時30分~19時00分

場 所

公立大学協会会議室

議 題

  1. 公立大学協会の組織改革について
  2. 今後の公立大学協会の活動について
  3. 大学の構造改革について
  4. トップ30について
  5. その他

出席者

文部科学省高等教育局

清木 孝悦 主任大学改革官

赤塚 義英 課長補佐

公立大学協会

会  長 児玉 隆夫

副会長 加藤 祐三

事務局 長宮澤夏樹

議事録

文科省:

大学の構造改革の方針は、この6月に遠山文部科学大臣が打ち出したものですが、今日は、このうち、国立大学の再編統合と、「トップ30」に関して説明を申し上げます。

国立大学の統合・再編に関しては、近隣の大学との間で人的資源の有効活用という観点から、役割分担というものを検討して欲しい、という提案をしています。

設置者の異なる国公私立間での大学の統合や、公立大学の国への移管などは難しいですが、相互に連携を深めていく、ということは検討してみてはいかがか、ということです。

「トップ30」の狙いは第三者による評価の導入です。これまでも、大学審議会で、高度化・個性化・活性化をキーワードに検討が進められてきたところであり、平成10年の「21世紀の大学像と今後の改革方策について」の答申では、大学院の拠点形成や、第三者評価による重点投資の必要性について提言しています。その延長にあるのが、「トップ30」です。国立大については、これまでも、特別会計予算の中である程度のことはすでにやってきている。それを、今回、国公私立まで含めて、いい意味での競い合いで大学のレベルアップをはかろうというものです。

「トップ30」は当初大きく誤解されてきました。最大の誤解は国立大学は30に減らすのではないか、30の大学を文科省が選ぶのではないかというものですが、30は重点性を示すシンボリックなものであり、あらかじめ30の大学を選ぶとか、ランク付けをするという狙いはまったくありません。

大学のあり方はいろいろあると思います。最先端の研究をする大学もあるし、地域貢献をする大学もある。それぞれ個性がある大学を支援していく。「トップ30」というのも、そのうちの一つであるということです。「トップ30」の概算要求額は211億ですが、科研費は1600億ですから、なんといっても研究面の支援策としては科研費がメインであることは、今後とも変わりません。「トップ30」いろいろな政策のうちの一つとして捉えてほしい。

今、お示ししている資料は、まだ検討途中のものです。(資料:世界最高水準の大学づくり―国公私「トップ30」―について)。年末に予算策定を受けて、年明けに新たに大学改革連絡会で議論してもらう予定です。そこで、分野の決定も行うことになります。選定の数も10から30程度の範囲で考える。審査委員会の準備会のようなものを設けて評価指標、申請要綱等を検討し、大学に提示することになります。大学でも検討する時間が必要でしょうから、申請は新しい年度になってからかなあと、漠然と考えています。

文科省:

審議会の議事はすべて公開しているので、審議会に出す資料は公開になる。検討途中の資料でも、「これはもう決まったのか?」という形で受け取られることもあるので、注意がいる。評価指標は分野によって違ってくるだろうと考えています。審査委員会で評価指標を示した上で申請を受け付けることになると思います。申請を受け付けてから、指標のほうが変わったり、新たに付け加わったりするのはいけないと考えています。出来るだけ、早く資金を配分したいという要請もあるが、初年度なので、慎重に時間をかけて進める必要もあります。資金の使い道については、できるだけ使途を限定せずに、大学の裁量にまかせたいと考えていますが、財務省との折衝次第です。申請について、大学改革連絡会でも強い意見がありました。学長が大学としての戦略のもとに申請を行うわけですが、選定された場合、申請者のところに直接お金がいくわけです。選定された組織をレベルアップするために、直接その組織ではないものに使う必要があれば、申請時の計画に基づく必要はありますが、学長の判断である程度自由に使うこともできるようにしたいと考えています。

文科省:

配分の時期については、初年度だから、遅くなる可能性があります。年度末ぎりぎりにお金をもらっても使えないということもあるかもしれません。基本的に原則5年間継続ですから、初年度には、資金に来るのが遅れると困るようなものをなるべくもってこないように計画するとか、工夫していただく必要があるかもしれません。

繰越が可能かについても、財務省との協議次第です。経費の性格によっては、繰越が出来るケースはあるかもしれない。

できるだけ、使い勝手のいいものをというのが文科省の方針ですが、財務省との関係でどこまでいけるか。

公大協:

現状ではそれぞれいいところはあるが、そこを取り上げて世界的にみてどうか。小さなグループでやっている場合、その中身をみればいいが組織として教育環境として小さいという場合どうするか。「5年間の出来上がりとしてこういう研究機関をつくりたい」というようなものも考えられる。

文科省:

そういうものにつながるようにしていきたい。組織を変えないと申請できないというものにはしない。組み合わせて出していくのもいい。研究組織自身を改変していくものにしてもいい。分野ごとにきっちり割るのではなく、横断的な専攻であれば、複数の分野にわたって出してもかまわない。専攻をひとつにまとめて出してもいい。申請のしかたは弾力的に考えています。審査が問題ですが。

文科省:

組織ごとにばらばらに申請するのではなく、学長としてどの組織をどう育てるのかという視点で構想を練っていただきたい。

公大協:

事後評価について。3年後が準備で、5年後に発足と書いて、5年後には発足しなかったということもあるだろうが…。

文科省:

5年間継続して資金を交付するけれども、5年後に世界最高ということを求めているわけではない。

公大協:

大学では人間を急に磨いたりはできない。

文科省:

将来構想はもう少し遠い将来を見据えていただいていい。

公大協:

ストーリーは5年以上にわたってもいいのか。<

文科省:

5年以上を描いていただいて結構です。

公大協:

留学生が来るときに、ここで学べば世界水準と思えるものを目指したい。

文科省:

世界最高水準は、外国からの評価も織り交ぜて評価してもらう必要があると考えています。評価の結果も固定化せずに変動する。なるほどと思うところだけじゃなく、意外なところに光るものがある、というものも入ってほしい。

公大協:

おおよそ、財政支援としては400億くらいになるのでしょうか。

文科省:

2年目に予算が倍になるかどうかは保証できません。概算要求ですから。やってみた上で分野構成の問題点などをみながら、第二フェーズとして拡充の方向を考えたい。三行目の点線はそういう気持ちの反映です。

公大協:

分野構成が変わると、大学としては難しい。

文科省:

そういう面もあるかもしれません。

公大協:

分野が変わる可能性は?

文科省:

分野はまだ確定ではありません。検討途上です。

公大協:

固定化しない方針とは。

文科省:

「トップ30」に選択される大学が固定化しないようにという意味です。実績はあっても、発展の可能性がなければ選ばれないかもしれない。常に高い評価を受けて支援を受け続けることもありうる。

公大協:

「トップ30」に入ればお金が入るから、そこがいよいよ成果をあげることになり、入る大学が固定化することはないのか。

文科省:

常連としていつも顔を出しているところもあるだろうし、意外なところもあるということが望ましい。いずれにしろ、評価が高ければ採択されるということ。「長くやっているから遠慮してもらう」ということはない。

公大協:

公立大学には総務省から交付金というものが出ているが、基本的には学生の教育という視点で出ているわけで、研究のレベルアップという観点ではない。高等教育に対してはサポートがあるが、学術研究という点では文科省からいただいている8億だけ。そうすると、今の仕組みでは公立大学に対する高度化はすべて設置者の責任になる。設置者の財政状況は厳しい。公立大学は日本全体からみて無視できないグループだと思うし、国際的にトップレベルという部分もある。そこに対する支援をとれないというのが、最大の課題。

文科省:

研究面での支援は、設置者別ではなく、国公私を通じて優れたところを支援するようになっていくだろうと考えています。「トップ30」はそういう願いを含めたもの。

公大協:

設置者が責任をもつのは、教育の面だろう。研究者の維持する最低限の費用も含めて設置者はそこまでだろう。

公大協:

現在の公立大学への文科省からの支援は、予算を用意してもらっても、自己負担が大きすぎて使えない。補助を1/3ではなくて、1/2にして欲しい。

文科省:

改めて大学課に伝えておきます。

公大協:

公立大学も様々で、世界を目指している大学もある。地域のためにも、日本の高等教育のためにも、研究費というのは基本的に競争で勝ち取るものとしていただきたい。

文科省:

国の方向もおっしゃるとおりです。ぜひ他の大学にもつたえてください。

公大協:

ありがとうございました。

補足:11月9日の懇談会から

公大協:

地域政策のようなものはどの分野に属しますか?

文科省:

社会科学や学際・その他に入ると思っていただければよいですが、表の分野は審査体制を表すものですので、自分の研究がどこに分類されるか、ではなくどの分野で審査してほしいかという観点でこの表を見てください。

公大協:

つまり該当しないものはない、と考えていいわけですね。

文科省:

その通りです。さらに、

要するに、いかなる要望も受け止めますので、各大学が創意工夫して申請してください、という意味です。

公大協:

専攻を組み合わせて申請することが可能であるとのことであるが、教育研究活動の状況、その他の項目をクリアするためには、専攻の統合等を視野に入れていない限り不可能ではないか。

文科省:

ある意味ではそうです。しかし、これに申請したからといって、専攻を束ねて設置認可を打ちなおして来いということではない。

公大協:

10分野のうち初年度の5分野はすでに決まっていますか。

文科省:

まだ決まっていません。予算額によって、10分野とするのかどうかも含めて検討します。

公大協:

最後の質問になりますが、大学改革をしている所としていないところで「トップ30」の選考における有利不利はありますか。

文科省:

大学改革は必要だが、このトップ30の評価指標に大学改革への取り組みを加えるなどして、大学改革を誘導する意図はない。