――清成先生は、首都大学東京の経営審議会の学外委員、横浜市立大学の非常勤理事として、また9年間の法政大学理事長・学長経験を踏まえて、理事長と学長の分担、変革期のトップのあり方、トップダウンと内発的なボトムアップの引き出し、経営の最高意思決定、説明責任、新しい「大学の自治」の確立、専門的経営者の養成など、トップマネジメントのあり方について次々と課題を揚げ、お話になりました。
最後に、特に公立大学に向けて、以下のように締めくくられましたので、その部分のみ要約してお伝えします。
最後に3点ばかり申し上げたい。一つ重要なのは自治体の首長さんのコミットです。コミットの仕方がやはり公立大学の理念に随分影響を与えてしまうというわけです。設置はしたものの全然無関心という方もいます。といってコミットされすぎると、これも困るわけですね。したがって首都大学東京の高橋理事長は、就任依頼を2回断って3回目にやっと引き受けた。その条件というのは、「知事が口を出さない」ということでした。設置についての石原知事の強い理念や思いについては高橋理事長は十分に理解しているわけですから、運営については口を出さなくていいということです。首長のコミットというのは必要ですけど、細かに口を出されても困ります。
また、国立や学校法人と異なるもう一つの公立の特徴というのは、やはり地域との関わりです。地域に対して何らかの責任を持つということ。特に地域の問題を解決したり地域に人財を形成し、それを蓄積するということが、やはり公立には強く要求されるということですね。
それから一番私が気にしているのは職員です。自治体の人事異動で2年ぐらいすると変わってしまうことも問題ですが、そんな中で首長が大学を軽視していると、例えば事務局長でも「どうも左遷されたんじゃないか」とやる気をなくしてしまう。事務局長がそうなら職員もそう。知事に聞いてみれば「いやあれは左遷じゃなくて、見込んで事務局長にした人事だよ」なんて言う。しかし知事がはっきりそれを言っていないし、「改革して欲しい」という抽象的なことは言っても、それ以上何も手立てを講じていないから、本人はやりようがない。ですから設置者としては、職員への動機付けということを、これからしっかり考えて欲しいと思います。