公立大学協会ニューズレター(No. 5) ..... 1/4

公立大学協会の今後の活動を展望して

「公立大学協会の今後の役割・課題・要望を把握するための学長アンケート」結果を踏まえ

岐路に立つ公立大学

知識基盤社会化と地方分権の流れの中で、公立大学の可能性に対して大きな期待が寄せられながらも、なお全体としての公立大学の将来像は不鮮明です。その多様さゆえに多様な課題を内包する公立大学ですが、概ね次の問題点に対する危機感は共通のものと言えるでしょう。

第一に、少子化に伴う学生像の大変動に対して、入試や教育内容の改革が当面の状況対応のレベルを出ていないこと。

第二に、「公立」であるからこそ、これからの地域社会に対し果たしていかなければならない役割を、公共性の観点から明示できていないこと。

第三に、公立大学設置団体の財政は、依然深刻さを増していること。

さらにあえて付け加えるならば、グローバリゼーションの影響による国際的研究水準追求の課題が、大学間格差を決定的にしつつある現実についても、総合的に検討する必要があります。

これらの変動に対しての対策を一様に論じることは困難ですが、あえて現段階の傾向を二分するなら、次のように整理することができると考えます。

第一の傾向は段階論的適応型と言うべきもので、社会の変動に合わせ地域のニーズを発掘し、高大連携・リメディアル教育などを強化すると同時に、公開講座の拡充などを通じて地域における教育をネットワーク化し、社会の変化に段階的に適応していこうとするものです。

これに対してもう一つの傾向は、思い切って未来の変化を先取りし、知識基盤社会の進展にふさわしい対応をしようとするものです。すなわち、大学の将来像を明らかにした上で、これまでの教育・研究活動を抜本的に見直す仕組みを構築するともに、社会人の育成、シニアの育成等、これからの時代が求める多様な教育の新たな仕組みを開発し、これらを公立大学の新しい経営手法により展開するものです。

もちろん両者は重なり合い、明確に分けることはできませんが、現段階では前者が多数派でありながらも、後者の方向に改革を進めるべきという声も高まりつつあります。

学長アンケートの実施

この様な状況を踏まえ平成13年度から改革を進めて来た公立大学協会の新体制も今年度6年目を迎えました。そこでこの間の活動を検証し、公立大学の差し迫った諸課題へ改めて活動の照準を合わせるために、先般「公立大学協会の今後の役割・課題・要望を把握するための学長アンケート」を実施したところ、66大学の学長より回答をいただきました。

アンケート結果については、協会ホームページ(関係者専用)に概要を掲載し、ここでは紙幅の許す範囲で結果の示す方向について所感を述べたいと思います。

アンケートの前半で平成13年度以降の協会活動について、総合的視点からの評価をお伺いしたところ、図1に示すとおり、概ね良好な評価をいただきました。

自由意見としては、「短期間の中に質の高い活動を行っており、協会の努力に敬意を表したい」、「少ない職員で、予算面で厳しいにもかかわらず創意工夫をして運営している」等の声をいただきました。

一方、「事務局、各委員大変よくやっていただいていると思うが、その事が各大学の事務局や教員にあまり伝わっていない」、「規模の多様な大学のそれぞれの要望に応えられる事業の展開を求める」という意見もあり、評価の中身についてしっかりと受け止める必要があります。

図1 平成13年度以降の協会の事業、活動について総合的視点からの評価

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