公立大学協会では平成13年度以降、少人数体制の委員会において、公立大学に共通する課題のうち、各公立大学の要望があり最重要の課題を選び研究・開発を進めてきましたが、平成18年度は常設の2委員会の他、2つの特別委員会、2つの専門委員会を設置し活動してきました。
平成19年度第1回理事会(平成19年4月23日開催)において、平成18年度の各委員会の研究・開発成果の概要及び、今後の課題等の報告がありました。これらは5月総会においても報告される予定ですが、そのアウトラインをここにご紹介いたします。
報告書は冒頭で次のように述べています。
「戦後の公立大学創設期以来、公立大学は、ある意味で国や地方自治体の政策あるいは地域の社会的・経済的必要性に対応しつつその歴史を作ってきた。したがって、公立大学はダイナミックな社会の変化の中に存在し、その変化の方向を敏感に感得できる位置にある。
しかし、一方で、その時々の政策に流されることなく、大学に求められる普遍的な課題に応えうる研究力や教育力を常に高めることが重要である。研究・教育の普遍性と時代のニーズや公立大学の『地域性』との統一の上に、21世紀における公立大学の存在理由と役割を見出していくことが、政策委員会の重要な任務である。」
以上の問題意識に立って、政策委員会は18年度、2回の委員会を開催し、同時に各種パブリックコメントの要請に対応してきました。その中で、文部科学省の高等教育政策の動向、内閣府のイニシアチブで進められつつある地域再生政策と大学の役割、21世紀の公立大学のヴィジョンについて重点的に検討を進めました。
今後は、これまでに引き続き国や地方自治体の高等教育政策および「地域再生」政策を調査・分析し、会員校に情報を伝達すること、会員校の「大学経営」に資する情報の提供や問題提起を行なうこととともに、近年の環境の変化を見据えながら、21世紀の公立大学の将来像を積極的に探求していくことが、政策委員会の課題であるという認識を示しています。
なお、報告書には今後の協会のあり方を考える資料として、理事会で検討してきた協会の「中期目標(案)」が収録されています。
平成18年度は前年度提案された人材育成システムの基本的な概念を踏まえ、各公立大学の人材育成への基本的考え方や取組みの現状についての分析が課題となっていました。そこで、各大学の人材育成システム構築について学長の基本的認識を調査するため、学長アンケートを実施すると同時に、各大学の人材育成システムの現状を把握するための大学アンケートを実施しました。
学長アンケートにおいては、78%の学長から率直な意見が寄せられ、トップとしての人材育成の考えを把握できました。また大学アンケートについても77%の大学から回答があり、貴重な基礎資料となりました。
両アンケートの結果について、草間副委員長は「学部教育への取組みは進んでいるが、大学院教育、大学院生のキャリアアップにおいては多くの課題を抱えている。大学院教育の教育目標をどう作るかが難しい」と指摘しています。
また草間副委員長は、「公立大学の入試問題については多くの課題が積み重なってきており、真剣に考える必要がある」とも指摘し、「平成19年度は公立大学として日程やAO入試などの課題について研究する必要がある」と問題提起しています。
また報告書の中で中島委員長は、「公立大学には地域における知の拠点として、新時代にふさわしい人材育成システムの構築が求められているが、各公立大学において、人材育成システムの改革・改善を図るために、本報告書が活用されることを期待している。」と述べています。
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