(国公私の大学団体が集い、大学団体の役割について意見交換)
去る8月7日、東北大学高等教育開発推進センター主催によるシンポジウム「高等教育の市場化における大学団体の役割と課題」が、東京駅日本橋口のサピアタワー・東北大学会議場にて開催された。
このシンポジウムは、市場メカニズムのもとで高等教育の公共性維持に多様な役割を果たしている英国の大学団体に注目し、日本における大学団体の機能と役割を考えることを目的としたもので、パネリストとして国公私立の各大学協会・連盟及び大学基準協会の役員が一堂に会した。
公立大学協会からは佐々木雄太会長(愛知県立大学長)がパネリストとして参加し、プレゼンテーションを行った。
はじめに、英国オープンユニバーシティ高等教育研究情報センターのウィリアム・ロック副センター長による講演「イギリスにおける学長団体の機能とその課題」が行われ、英国の高等教育政策の形成や実行に対して大きな影響を有してきた「中間団体(高等教育に対する補助金分配を担う審議機関や高等教育機関の代表団体等)」の役割について述べるとともに、中間団体の一例として、学長の全国団体であるUniversities UK(UUK)の機能や組織、高等教育の市場化、グローバル化の進行の中で直面している課題等が紹介された。
午後のシンポジウムでは、「日本における大学団体の役割と課題」として、日本私立大学協会の小出秀文事務局長、大学基準協会・大学評価委員会の鈴木典比古委員長(国際基督教大学長)、国立大学協会の赤岩英夫専務理事、日本私立大学連盟の白井克彦副会長(早稲田大学総長)、そして当協会の佐々木雄太会長(愛知県立大学長)が、それぞれの大学団体の概要や沿革、現在の取組みの内容や課題などの発表を行った。(写真:公立大学協会の発表)
各団体からの発表の後、天野郁夫東京大学名誉教授とロック氏からコメントがなされた。
天野名誉教授からは、事前規制から事後チェックへという高等教育政策の大転換の中で、インフラ、セーフティーネットとしての大学団体の役割は重要であり、親睦団体から戦う団体への変化が求められていること、教育・研究評価、教育課程の再構築、FD・SDへの対応、経営・財務の改善などの問題に対して、大学単体ではなく大学団体において取組んでいくべきとの認識が示された。
また、ロック氏からは、大学は教育・研究機関としても、共同体としても大きな変化の中にあり、外部との連携が重要性を増しているということ、その連携を担う大学団体においては、ロビイングや政策提言、研究分析、広報などの役割を担うために組織の専門化が求められていること等のコメントがあった。
最後にディスカッションが行われ、大学団体間、あるいは地域におけるコンソーシアムなど、国公私の枠を超えた「連携」について議論が行われた。当協会の佐々木会長からは、「これまで設置形態や予算の出所の違いから大学団体間での連携はあまり見られなかったが、新しい高等教育政策、グランドデザインが求められている現在、国公私共通で取組むべき課題を積極的に見出し、協力を進めて行ける可能性がある。」との発言があり(写真)、他の大学団体からも、経済界における経団連のような大学の一大連携を、といった発言が上がるなど、国公私を通じての大学団体連携の重要性が認識されたシンポジウムとなった。