2年前、次期会長の選任をめぐっていささか不穏当な動きもある中で、はからずも会長職を受けることになりました。
このような経緯から、私たち役員に課せられた第一の課題は、会則をはじめ明示的なルールに基づき、理事会での充分な審議を軸にした組織的な協会運営、および全会員への徹底した情報提供に基づく透明な協会運営であると自覚しました。
不備な点が多かった現行会則の改正は、地区協議会における意見聴取も含めて、数回の理事会で慎重に審議を重ねた結果、昨秋の臨時総会において、ほぼ全会一致でご承認いただきました。今春には、新たに定められた規程に基づき、協会発足以来初めて、全会員の投票によって次期会長候補者が選出されました。
この2年間の理事会は、ほとんど全理事の出席のもとで開かれました。何よりも心強いことでした。副会長、理事、監事、顧問、相談役のご協力と、事務局の奮闘のお陰で任期を全うすることができました。心から感謝いたします。
会則と並んで主要な規程の整備もなされました。協会の法人化という懸案は残されましたが、公大協の諸活動のルールあるいは軌道は整ったと考えます。今後は、活動内容の充実こそが課題となります。
高等教育政策はめまぐるしく動きました。中教審答申「我が国の高等教育の将来像」は、大学はそれぞれの判断に基づいて7つの機能に「緩やかに機能別に分化していく」と述べました。この「機能別分化」と大学の差異化が、政策的に進められつつあることに懸念を覚えます。また、答申「学士課程教育の構築に向けて」は、大学設置等に関する「規制緩和」路線を大きく転換して、「多様性と標準性の調和」をうたいました。教育の「質の保証」の必要性は理解できるものの、「標準性」の追及が過度な規制となり、大学の個性喪失につながる恐れなしとしません。
「学士課程教育」答申の後に、「制度論」を含めた提言を求めるとした文部科学大臣の新たな諮問にかかわる論議の行方に留意する必要があります。「戦略的大学間連携」のあり方や道州制と公立大学の将来像など、豊かな構想力を発揮して対処しなければならない課題がひしめいています。
公大協は会員大学の多様性に特徴があります。一つ一つの大学は小さくても、それぞれが地域にしっかり根差しているところに強みがあります。
公大協は今年創立60周年を迎えます。元気な公立大学がひとつになって、高等教育におけるその存在意義をしっかり主張する良い機会だと思います。
大学振興課に異動がありましたので一言コメントをいただきました。(〔 〕内前職)