第71回公立大学協会総会が学長・事務局長等150名が出席し、開催された。文部科学省高等教育局 義本博司大学振興課長の講演、新会員大学の紹介、初めての記者発表の模様をご紹介する。
義本博司文部科学省大学振興課長に「中教審を中心とした大学教育改革の動き」「学位授与をめぐる問題」「平成21年度公立大学に関連する予算」「新型インフルエンザへの対応」「公立大学の役割と国の関わり」の5点についてご講演をいただきました。
昨年12月の学士課程の答申後、学部教育も含めて、その質をどう高めていくのかという課題があり、入試改革等が行われるほか、学士課程答申のフォローアップとして財政支援も含めた教育GPによる政策誘導を行い、各大学の改善の取り組みを応援していく。中教審において現在、中長期的な大学教育のあり方について、幅広い議論をしている。大学の量的な規模のあり方の問題と裏腹の関係にある教育の質保証をどうしていくのか、議論の一端をご紹介させていただく。大学外の質保証システムとして、設置基準・設置認可のシステム、認証評価、それに関連した公的財政措置があるが、基本はいかにして学内の質保証の仕組みの実効を高めていくかといった観点から見直しを図っていく。現在、設置基準、設置認可、認証評価の関係において、役割分担を明確にして改革を図っていこうということを審議会で意見している。
大学はユニバーサル段階を迎え、今後ますます少子化を迎える中で、大学の規模をどう考えていくかということは、将来的に考えていかなければならない日本の構造的な問題である。今後社会人の受け入れも含めて考えていく必要がある。既に地方においては、私立大学を中心として定員割れを起こしている大学があり、国立大学、公立大学の一部でもその兆しがある。定員規模の適正化を図るための議論、法人の統合を含めて、中教審で議論を進めていく。
大学分科会では、質保証システム部会、大学規模・大学経営部会、大学行財政部会、大学院部会が中心となって審議を行っており、それぞれ夏くらいには、中間的な審議経過を整理し、現在考えている内容の方向性を示したうえで、意見をたまわってさらに議論を深めていくという流れで進めていこうと考えている。
質保証について、最後に1点だけ申し上げておくと、経営に関係する情報を大学としてどのように公開していくかという観点である。入試に関する状況(志願者数、受験者数、合格者数等)、また中退率の情報等も含めて経営に関わることである。これからは大学の透明性を図っていくことが大事になってくる。
国公私立大学全体として、学位授与をめぐる問題がある。昨年、一昨年来、いろいろな形でこの問題がマスコミにも登場し、国会でも取り上げられた。社会において、日本における学位の取得、あるいは大学院の信頼確保の問題については、揺るがせにはできない。学位の信頼性、ひいては大学そのものに対する信頼性に関わる非常に大きな問題である。大学において厳正に対処していただくために、内部的な手続きや委員会の整備をしていただきたい。