平成21年度の当初予算、補正予算に関しては特に公立大学協会の皆様からいろいろなご要望をいただいている。国公私立大学それぞれの設置形態のいろいろな制約の中において、公立大学が存在感を発揮されるよう、いろいろな課題に対応していきたいと思う。
公立大学に対する予算については資料に示すとおりであるが(掲載略)、特に「地域医療の期待に応える大学病院の機能強化」という問題について、NICU等周産期医療環境整備ということで、国公私立の24大学に対して措置をし、あるいはメディカルクラークや看護助手という形で医療補助員を雇用することを掲げている。地域医療を担っているのは国立よりもむしろ公立大学であるにも関わらず、公立大学に予算がつかないことについて、公立大学協会から指摘をいただいたところである。平成15年に三位一体改革の流れで設備の補助金を一般財源化し、また財政難の現状では、なかなか難しい問題であるが、課題として受け止め、公立大学協会、厚生労働省、総務省と連携しながら知恵を出していこうと考えている。
大学院を持っている大学で、先生方が教育研究に専念できる支援体制として「教育研究高度化のための支援体制整備事業」(300億円)ということで、大学振興課所管の補正予算を要求している。すべての大学が公募対象になるわけではないが、多くの公立大学に予算を配分できる形になると思うのでぜひ応募してほしい。
新型インフルエンザの問題。関西の大学では、実際に休校の措置をとったところもあり、非常に大きな影響が出た。関西に限らず全国それぞれの大学の事務局で、いろいろな形でのご苦労がおありだろうと思っている。一応、関西においては終息の方向にあるという話があるが、これで終わるわけではない。冬の入試時期に仮にこのようなことが発生した場合、各大学の入試をどうするのか、センター試験が行えなかった場合の取扱いをどうするのか、といった非常に難しい問題もある。現在、大学入試センターにおいて、取扱いについて協議しており、それを踏まえた上で、公立大学協会を含む各団体と連携し、各大学が足並みをそろえて一定の方針を決め、準備にかかっていくことが大事であると考える。
公立大学は20年前に比べて大学数、学生数とも約2倍前後に増える中、存在感を増しており、特性としては、地域のニーズに寄り添って教育研究活動を展開し、専門人材の計画的養成や、地域の課題解決のためのシンクタンク的な機能を果たしている。何よりも大きいのは、地域の高等教育へのアクセスの機会を保障している点である。
公立大学の強みとしては、設置者の積極的なサポートがある場合、機動的な展開が非常に加速すると思う。いくつかの公立大学を訪問したが、その取り組みに先進性があり、大学によっては科研費の採択が活発であり、あるいは学生の活動においても国立大学・私立大学を凌ぐような存在感を持っている大学もある。議会対策等、おそらく学長ご本人が非常に御苦労されているかと拝察するが、設置者との距離感でいえば、文部科学大臣と国立大学の関係以上に密接であり、機動的な展開もできる可能性を秘めており、積極的な大学改革の推進においても大きな役割を果たしていただけると思っている。
今後の課題として、各地域でこれだけ立派な役割や機能を果たしておられるので、国のレベルでぜひ発信をしていただき、より存在感を発揮され、公立大学全体の力を高めていくための条件提示をいただければありがたいと思っている。
第71回総会終了後、学士会館内にて、矢田会長、小林副会長、金児副会長、江里副会長、中田事務局長により、総勢11社12名の記者を前に、はじめての記者発表を開催し、公立大学の特性、設置経過、今後の公立大学協会の事業計画について説明した。記者からは、公立大学協会の存在意義、公立大学法人化、60周年記念事業等様々な質問が寄せられた。