愛知県立大学は、2009年4月に県立看護大学と統合し、新大学として再出発した。これにつながる県立大学の改革は、県の行財政改革の一環として2003年から始まった。財政難の折から「県大はいらない」という有識者会議での声もあったが、学部・研究科の増設を含めて存続が認められた。「良質の研究に基づく良質の教育」によって有為な人材を輩出することを基本的な存在理由とし、これまでの実績や伝統を継承しつつ、地域社会の諸課題に積極的に応える「知の拠点」を目指している。また、2005年に本学の隣接地で開催された国際博覧会「愛・地球博」が提起した「共生」の理念を継承し、の実現に資「共生社会」する研究・教育を目指す。
愛知県には、ものづくり産業を支える約8万人のブラジル人やペルー人が在住している。これらの人々は、日本語を完全に習得しないままに地域に定住しているが、教育や医療の現場ではコミュニケーション・ギャップに伴う問題が生じている。とりわけ人の命に関わりかねない医療現場における問題は深刻である。本学外国語学部スペイン語圏専攻は、看護学部の協力を得ながら、地域の看護師、医師、保健士らを対象に、基礎的なコミュニケーション能力を養成する「医療分野ポルトガル語・スペイン語講座」を実施している。今年3年目を迎えたが、受講生は途絶えることがない。また、このようないわば応急処置に加えて、新大学としての発足に伴ってポルトガル語専任教員2名を配置し、一般外国語科目のひとつとしてポルトガル語を開講した。看護学部の学生を含めて多数の学生がこれを履修している。
さらに、外国語学部日本語教員課程の教員と学生は、長い間、ブラジル人集住団地や学校におけるコミュニケーション支援にかかわってきた。今年度から、文部科学省の教育協力拠点形成事業のひとつとして、愛知県や地域の教育関係者と連携しながら、外国籍児童生徒の教育に関する方法と教材の開発等を目的とするプログラムに取り組んでいる。
新設された日本文化学部の教育・研究は、「多文化共生」を課題とするもうひとつの特徴的な取組である。尾張・三河地方には蓬左文庫、大須(真福寺)文庫、岩瀬文庫など貴重な文庫が存在し、未調査の古典籍や古文書も多い。平曲や能狂言、祭礼や民俗芸能など無形文化財も伝承されている。教員と学生たちはここをフィールドに調査・研究活動を行い、その成果を広く発信する。すでに、荻野検校顕彰会の協力を得た共同研究の成果として「『平家正節』盲人伝承八句―ライブ映像と検索―」が公表され、また「国境(くにざかい)の歴史文化」に関する共同研究の取りまとめも進んでおり、地域に根差した「知と文化の拠点」としてのユニークな役割が発揮されつつある。
日本文化学部は国際社会の中での日本文化理解をもうひとつの課題とし、外国語学部とともに、自文化、異文化双方の理解に立った「多文化共生」への貢献を目指している。
| 学部 | 外国語学部、日本文化学部、教育福祉学部、看護学部、情報科学部 | ||||
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| 研究科 | 国際文化研究科、人間発達学研究科、看護学研究科、情報科学研究科 | ||||
| 本部所在地 | 〒480-1198 愛知県愛知郡長久手町大字熊張字茨ヶ廻間1522-3 | ||||
| 交通 | 東部丘陵線(リニモ)愛・地球博記念公園駅から徒歩5分 | ||||
| TEL | 0561-64-1111 | FAX | FAX:0561-64-1101 | ||
| 設立年 | 2009年 | ||||
| 設置者 | 愛知県公立大学法人(愛知県) | ||||
| 学生数 | 3,505名 | 教員数 | 218名 | 職員数 | 57名 |