現在の公立大学は、国立大学や私立大学とは内容の異なる、厳しい状況に置かれている。公立大学を設置する地方自治体の財政は逼迫しており、この状況は社会の高齢化が進行するにつれて、さらに厳しくなると予想される。公立大学の設置は地方自治体にとって義務的なものではないので、財政が厳しくなれば、国からの経常費助成のない公立大学の維持は、府民や設置者にとって選択を迫られる課題となる。京都府内には48(京都市内には37)の大学・短大があり、京都市の人口の約1割は大学生が占めるので、その中で公立大学としての特色を明確に出すことが求められている。このような状況の下で、平成20年4月の公立大学法人(府立医科大学とともに1法人2大学)化に際して、学部・研究科の再編を行い、新たに定めた学則に「京都府における知の拠点」を掲げた。
再編では、文学部・公共政策学部・生命環境学部の3学部・研究科の体制とした。この中で、公共政策学部の教員が中心となり、文学部や生命環境学部の教員とも協力して、京都府における政策研究を展開する目的で「京都政策研究センター」を、平成21年7月に設置した。
このセンターの大きな特色は、大学教員と行政職員とが協働して、京都府政の重要課題に関する政策研究を展開すること、言い換えれば大学と行政とが一体となって、京都府政のシンクタンク機能を果たすことにある。
平成21年度の研究テーマは、「持続的発展可能な京都ならではの地域環境政策に関する研究」(関連行政部局等:総務部、政策企画部、文化環境部、農林水産部、環境関連NPO団体);「府民福祉の新たな展開に関する研究」(府民生活部、健康福祉部、関連NPO団体);「地域力再生・活性化のための国内外政策事例研究」(広域振興局、総務部、政策企画部等)の3課題である。
本学では、規模が大きくない特徴を活かして、人文科学系・社会科学系・自然科学系の教員が協働して取り組む地域調査研究が従来から盛んであり、その調査研究を支える地域貢献型特別研究費も確保されている。これらの従来型の調査研究には、行政職員やNPO役員が加わることもあるが、その参加は個別的参加である。「京都政策研究センター」の大きな特色は、教員と協働して、行政職員やNPO団体が政策研究に組織的に参加する点にある。
他大学の教員から見れば、「京都政策研究センター」の取り組みは、教員にとって「雑用」と映るかもしれない。しかし、行政との協働作業により、教員は現場の課題に立ち向かう中で研究者としての視野を拡げ、現実の社会で進行している事象を行政のもつ膨大なデータで研究することができ、結果として、公立大学ならではの独創的な研究を展開できるのではないか、と私は期待している。
公立大学をとりまく厳しい状況の中で、公立大学と行政との新たな関係が模索されている。この新たな関係を築く努力の中から、公立大学の新たな発展段階が見えてくるのではないか。その新たな発展段階に到達するためには、公立大学の教職員に高い力量が求められる。
| 学部 | 文学部、公共政策学部、生命環境学部 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 研究科 | 文学研究科、公共政策学研究科、生命環境科学研究科 | ||||
| 本部所在地 | 〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5 | ||||
| 交通 | 市営地下鉄烏丸線北山駅から徒歩7分 | ||||
| TEL | 075-703-5101 | FAX | 075-703-5149 | ||
| 設立年 | 1949年(新制大学設置) | ||||
| 設置者 | 京都府公立大学法人(京都府) | ||||
| 学生数 | 2,074名 | 教員数 | 156名 | 職員数 | 75名 |