公立大学協会は、60周年記念事業実施特別委員会(委員長・江里健輔副会長/山口県立大学長)の企画により、12月1日にホテルパシフィック東京(品川)において記念シンポジウム、記念式典、祝賀会を開催いたしました。
また、同特別委員会のもとに60周年記念誌編集作業部会(主査・加藤祐三相談役/元横浜市立大学長)を設置し、60周年記念シンポジウムの記録やこの10年間の公立大学及び公立大学協会の歴史をつづった、「公立大学協会60周年記念誌(仮称)」を発刊すべく現在編集作業を進めております。
記念シンポジウムは、保健・医療、福祉分野の人材育成を例にとり、様々な分野の公立大学が地域の知の拠点としてどのような役割を果たしているのかを探りました。パネルディスカッションに先立って、2つの記念講演をいただきました。講演・パネルディスカッションの記録は記念誌に掲載いたします。本号では、その概要を紹介いたします。
半年だけのつもりで赴任した鹿児島県の離島の診療所を、ついに30年以上守り続け、数々の難手術も行ってきた瀬戸上先生。島ならではの住民との信頼関係の中で育む医療の魅力、最後の砦としての医療機関の責任、動物を含めた多様な患者との出会い、島で育つ若き医療人の成長の姿など興味の尽きないエピソードが、とつとつとした語り口で語られ、聴衆は話の中にあっという間に引き込まれました。最後にローカルに徹する医療人としての生き方をさらに厳しく見つめ、いまなお追い求め続ける医療人としての決意をお話いただきました。
お話を伺い、昔を思い出しました。医学部の6年間をどう過ごすかということが今も昔も大切なことです。現在私の島の診療所にも全国から学生がきますが、医学部に入って良かったという感想をもってくれると私自身まで嬉しくなります。島が違えばすべてが違います。島で小学生だった子が、看護師になって戻ってくれたのは嬉しいことでした。公立大学の実践を伺い、地域の魅力を学生に知ってもらう努力が非常に大事だと思いました。
潮谷先生は、熊本県知事として県立大学の設置運営にあたられ、現在は長崎県と佐世保市、地元の経済界とのパートナーシップによって生まれた長崎国際大学の学長として活躍されています。
時代が求める大学像が変化する中で、公立大学は、単に地域に貢献すればよいということではなく地域と共に生きるという理念が求められる時代であると、熱く語っていただきました。
各大学の取組みのどれも勉強になりました。この取組みを公立大学全体の質の向上につながるように評価していかなくてはいけません。地域連携とは、あるがままを知るということで、大事な要素です。体験を積み重ねた謙虚な学びが大切だと思っています。
地域、コミュニティの語源には「志を同じにする」という意味があります。公立大学が志高く、地域の人々と共に発展することを願っています。