公立大学協会ニューズレター(Vol. 4, No. 4) ..... 5/8

公立大学の特色ある取組み・改革 15

神戸市看護大学(学長:金川克子(地域看護学))

住民との協働を基盤にした看護職の人材育成

住民による教育支援と学生による地域支援の融合

■この10年の取組み

神戸市看護大学におけるこの10年の歩みとしては、平成12年度には大学院修士課程、18年度に博士課程を設置し、さらに、17年度には4年制大学として初めての助産学専攻科を開設しました。また、19年度には文部科学省の「がんプロフェッショナル養成プラン」に近畿圏の6大学が共同申請し採択されました。本学においては、がん医療とがん看護学の質的向上への貢献を目指して、がん看護専門看護師の養成とがん看護インテンシブコースの実施に取り組んでいます。

本学は、阪神淡路大震災の翌年の平成8年に開設し、4年制の大学としては比較的若い大学ですが、本学の前身である神戸市立高等看護学院や神戸市立看護短期大学の良き伝統を受け継ぎ、神戸市民病院群や多くの関係者に支えられながら、19年1月に10周年記念事業を行ないました。

■地域活性化への貢献

本学が長い間続けている地域交流活動が実を結び、平成18年度には、本学のカリキュラムの1つであります「地域や家族を基盤とした健康生活を支援する看護実践の能力の育成」と「住民主体の健康づくり、まちづくり」が「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に採択されました。

現代GPの取り組みの内容は、新たな看護学教育モデルとして本学と地域とが協働して、地域住民による教育ボランティアを導入したカリキュラムを構築しました。また、従来から本学が地域貢献として実施している数々の健康生活支援事業を統括して発展させ、教育課程との融合を図り、さらに、取り組み全体を補完するためにeヘルスシステムを構築しました。

現代GPは平成18年度から20年度の事業として実施し、一応の区切りを迎えたことになりましたが、地域住民からの事業継続の要望が強く、また、学生への教育保障・カリキュラム継続の必要性からも、21年度には「健康支援地域連携センター」を学内組織として立上げ、さらなる事業の発展を図ることにし、現在に至っています。

地域住民による教育ボランティアを導入したカリキュラム

■震災後15年の節目に当たって

2010年は阪神・淡路大震災から15年目の節目に当たります。

本学は、大震災からの復興を願う人々の祈りと期待に支えられて今日まで歩んできました。苦難と戦い、危機を乗り越えてきた人々の強さと優しさは、建学の精神でもあり、開学時からカリキュラムに災害看護学を取りこみ、さらに充実・発展させています。また、震災直後からの前身の看護短期大学での献身的な学生と教員によるボランティア活動を、平成15年からボランティア部が引き継ぎ、これらの活動を教員の研究等に反映させています。

今後の活動に向けては、学内における自己点検や地域住民、大学基準協会等の評価も受けながら、これまでの歩みを振り返り、次の10年に向けての取り組みが重要と考えます。具体的には、組織体制の見直しを行い、教員個々の教育・研究・社会貢献等の活動をさらに充実させるとともに、組織的研究の拡充が必要です。

今後とも、幅広い教養と倫理観をもち、市民の健康に対する関心の高まりによる看護ニーズの多様化に即応できる資質の高い看護専門職を育成することが本学の責務であると考えています。

大学DATA

学部 看護学部
研究科 看護学研究科
本部所在地 〒651-2103 神戸市西区学園西町3-4
交通 市営地下鉄西神・山手線学園都市駅から徒歩10分
TEL 078-794-8080 FAX 078-794-8086
設立年 1996年
設置者 神戸市
学生数 487名 教員数 58名 職員数 15名
<< 1|2|3|4|5|6|7|8 >>