公立大学協会ニューズレター(Vol. 4, No. 4) ..... 6/8

公立大学の特色ある取組み・改革 16

奈良県立医科大学(学長:吉岡章(小児科学、血液学))

地域医療を支え世界に羽ばたく

地域基盤型医療教育と大学連携によるグローバル化

■地域医療貢献の実績と継続・発展

本学は、地方の、公立の、単科の医科大学である。この利点を生かした実績は、地域医療への大きな貢献である。本学の医学科入学生に占める奈良県出身者は平均25%であるが、卒業生が県内の病院で研修する割合は43%、そして、県医師会会員に占める割合は51%(研修医と医員を加えると65%超)である。また、県下の18公立・公的病院のうち15病院では、院長以下全医師が本学出身・関係者であり、残る3病院でも本学出身者が複数科で地域医療を担っている。一方、看護学科卒業生も約50%が県内医療機関で活躍している。この数字こそが建学65年の本学の地域貢献の最大の証しである。

入学直後から始まる地域医療マインドを育成するカリキュラム(後述)と卒後の多彩な地域連携研修プログラム、そして、臨床各科と県下医療機関との有機的ネットワークによる人材交流が成功しているからこそ、もたらされた成果である。

■地域基盤型医療教育カリキュラム

地域に根付いて医療に積極的に従事することを喜びと感じ、現場で実際に役立つ総合力のある医師・看護師の育成を目指している。そこで、学習の場を大学から地域へ拡大し、1年次から地域での体験を通して医療人としての責任感を涵養する「地域基盤型医療教育カリキュラム」(平成20年度文科省『質の高い大学教育推進プログラム』に採択)を構築し、実践している。同時にスタートした医学科地域枠(看護学科では平成16年度から実施中)と緊急医師確保特別枠の入学者を中心に地域定着をさらに促して行くものである。

本カリキュラムは、本学各科と県地域医療連携課・県立五條病院へき地医療支援部に加えて、県・地区医師会の絶大な支援が約束されている。実習の目玉として、「メンター(指導医)制度」を導入した。実地医家をメンターに委嘱し、診療現場で繰り返し直接指導を受けるものである。その他、図のごとくクリニカル・クラークシップ(6年次に1領域4週間×4サイクル)を含む8種の多彩な実習を6年間に体験する。

地域基盤型医療教育カリキュラムの概念図

■世界の知の拠点との連携

本学が、地方の、公立の、単科の医科大学である故の物足りなさは、一般教養教育資源の不足とグローバル化への立ち後れである。これらを補い、強化するために世界中の知の拠点であるトップクラスの大学と連携し、教育力・研究力・診療力の高度化とグローバル化を推進している。

すでにアジアとの連携を高めるために、1996年にタイ王国チェンマイ大学と、2004年には中国福建医科大学と連携協定を締結した。タイとは毎年4~10人の学生(医・看)と教官の交流、研究者の受け入れと共同研究を実施している。英国Oxford大学とは2008年に学術交流協定を締結、2009年には本学で記念シンポジウムを開催した。また、英国ImperialCollegeLondonと、地域医療のe-learningプログラムを相互に導入し、ドイツRuhr大学と交換学生協定を締結した。

国内では、同志社女子大学、奈良先端科学技術大学院大学及び早稲田大学とも連携協定を結び、学生と教官・研究者の交流、FD・SDでの協働、一般教育と基礎・臨床医学、看護教育の広範囲の学術研究協力を開始した。

大学DATA

学部 医学部(医学科、看護学科)
研究科 医学研究科
本部所在地 〒634-8521 奈良県橿原市四条町840
交通 JR畝傍駅・近鉄橿原線八木西口駅から徒歩10分
TEL 0744-22-2281 FAX 0744-25-7657
設立年 1952年
設置者 公立大学法人奈良県立医科大学(奈良県)
学生数 1,029名 教員数 342名 職員数 74名
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