公立大学協会について

会長挨拶

一般社団法人公立大学協会
会長  相原 道子

 公立大学協会は、「公立大学の振興と我が国の高等教育、学術研究の水準の向上及び均衡ある発展に寄与することを目的」(定款)とし、1949年に33の公立大学により創立されました。その後、特に平成期以降に会員校を増やし、2023年4月に公立大学は100校に達しました。全公立大学が加入している本協会にとりましても節目の年となります。

 公立大学の設置者は地方自治体であり、現在91の大学が法人化しています。特徴ある小規模大学から、学生総現員数が約1万6000人の総合大学まで、16万人を超える学生が学んでいます。地域に必要な人材育成と研究によってその発展に寄与し、産業界や自治体との連携のもと、我が国全体や世界における課題解決に貢献することで、その存在感を示してきました。

 そして今、18歳人口の減少をはじめ、急速なデジタル技術の革新、価値の多様化など大学を取り巻く社会環境は大きく変化しています。公立大学はそれらの変化に対応しつつ、地域に根ざした大学として社会の期待に応え、多くの人に選ばれる大学であり続けることが求められています。高度な専門教育に加えてグローバル教育による世界と地域をつなぐことのできる人材の育成、領域横断的な教育による多様な価値を統合し新たな価値を創造できる人材の育成、データを活用して社会の課題解決に結びつけることのできる人材の育成など、それぞれの大学がこれまで以上に社会で活躍できる人材の育成に注力しています。社会人を対象としたリスキリング教育もその一環として行われています。一方、研究においては地域の活性化に資する共創拠点となる研究はもとより、世界水準の研究も進められています。

 本協会は、公立大学の各校がハイレベルの教育・研究、そして地域と連携し地域に貢献する活動が円滑に行えるよう、公立大学の共通課題に向き合い、課題解決に向けて尽力してまいります。そして、公立大学の発展が優秀な人材の輩出や優れた研究の社会への還元につながり、ひいては地域のみならず我が国全体の発展に貢献できるよう会員校と協働してまいります。

 これからも公立大学を応援いただき、さらなるご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和5年5月